夏の終わり、『残暑』とは名ばかりで、うだるような暑さは健在、じめっとした空気が肌にまとわりつく。 そんな中、ほんの刹那、乾いた風が通り抜ける。 あんなに嫌いだった夏が、終わりに近づいていることを、寂しく受け止めている自分がいる。
湿気をオークモス、乾燥をシダー、熱気をアンバー調の香りとサフラン、涼しさをフゼア調の香りで表現。 一つの香りの中に、暑さと寒さ、湿気と乾燥という相反するものを感じることができる。 そこにアイリスが加わり、不思議となつかしさを醸し出している。ベルガモット、バジル、カルダモン、クローブ、サフラン、ヴァイオレットリーフ、 ローズ、オークモス、シダーウッド、ミルラ、ラブダナム、カカオ
çanoma
çanoma(サノマ)は“上質な日常”をテーマに、2020年秋にパリで誕生したニッチフレグランスブランド。
日本人クリエーターの渡辺裕太氏がディレクションを取り、フランス人調香師Jean-Michel Duriez(ジャン=ミッシェル・デュリエ)とともに、既存の香水にはない新しいアイディアと熟練した技術による調香を兼ね備えた、日本人が日常使いできる香りを生み出す。
-çanoma-
香水は“上質な日常を提供するもの”でなければならないという考えのもと、ブランド名には日常を表す「茶の間」と、上質の象徴である「茶道」という2つの言葉を選び、共通する“茶”の字の発音を入れ替えて、sanomaという音を作り、そこにフランスが培った香水文化のエッセンスを表現するために“ça”を用いることでçanomaと付けられた。
【予約商品】çanoma 1-24 | 鈴虫 - 100ml
香りの系統は、シダーウッド、サンダルウッドのしっかりとしたウッディノートに、アンバー調の動物由来のオリエンタルな魅惑的な香りに、サフランを中心とした温かさと、カルモダンのすっとした冷たい香りがうまく混ざり合い、アニスやローズにより上品なアロマティックさが効いている。
肌に乗せるとトップではシトラスが一瞬香りますが、柔らかく渋いクラシカルなウッディ調の香りに。またスパイシーさと同時にすっとした香りも感じますので、結構アロマティックな雰囲気で複雑で不思議ではあるんだけど、どこか懐かしさも感じられます。
ASOBINoBAの理想とする紳士像にマッチしたお気に入りの香りです。
çanoma、渡辺さんのnoteより
一番最初に制作に取り掛かり、一番最後に出来上がった香り。完成までに一年ほどかかった。今のところ、一番人気がないと想定される香水だ。
とても不思議な香りである。
うだるような暑さと湿った空気、蝉の鳴き声があたりを包み込む中、一瞬、ほんの一瞬だけ、乾いた、冷たい風が吹く。“夏の死”を悟る瞬間。
ポイントは「コントラスト」だ。暑さと寒さ、湿気と乾燥。この2つの相反するものを、どのように香りに閉じ込めるか…
調香はウッディ・アンバー・スパイシー・アロマティック。
シダーウッド、サンダルウッドのしっかりとしたウッディに、アンバー系の香料をたっぷり追加した。スパイシーはサフランが中心になり暖かさを出しており、またカルダモンが冷たい風をうまく表現している。そこに少しだけアニスが効いた構成となっている。
調香の中には記載しなかったが、トップノートはベルガモットを中心としたシトラスが気持ちよく香る。